1. ダブルケアの現状と背景
全国的な動向: 2016年の調査では全国に約25万人のダブルケア当事者がおり、特に女性(約17万人)に負担が集中しています。晩婚化や出産時期の変化、医療技術の進展による介護の長期化により、30〜40代の働き盛り世代でダブルケアを行う人が増加傾向にあります。
当事者の困難: 就業を希望しながらも、時間的制約により仕事に就けない方が6割以上に上るなど、経済的・精神的な負担が大きな課題となっています。
2. 神戸市の現在の対応体制
既存の支援体制: 介護面では「あんしんすこやかセンター」、育児面では「こども家庭支援室」や児童館、保育所などがそれぞれの専門分野で対応しています。
複合的な課題への連携: 課題が複雑なケースでは、関係機関が情報を共有し、チームとして家族全体を支援する方針を検討しています。具体的には、保健師や医療・介護専門職が集まる「地域ケア会議」の開催などを通じ、個別検討を行っています。
3. 他都市の事例と課題提起
他都市の先行事例: 堺市の専用相談窓口設置、横浜市のハンドブック作成やカウンセラー育成、京都府の「地域包括支援センター」と「子育て世代包括支援センター」の連携によるケアプラン作成などが紹介されました。
神戸市の課題: 現状、ネット検索等でダブルケアに関する情報が見つけにくい点や、「制度のはざま」で悩む市民へのアプローチを強化する必要性が指摘されました。
4. 今後の方針と具体的施策
連携の強化: 窓口職員が複雑・多様な福祉課題への理解を深め、各支援窓口の専門性を生かしつつ、これまで以上に部局間の連携を深める方針です。
ツールの活用: 市が発行する「神戸市版お悩みハンドブック」を、市民への情報提供だけでなく、窓口間の連携を促進するツールとしても活用していくことが検討されています。
情報発信の工夫: ネット上での相談窓口の周知や、ダブルケアに特化したハンドブックの作成、職員研修の充実など、当事者が一人で問題を抱え込まないための体制整備に努めるとしています。













