1. 成り手不足問題への対応と処遇改善
神戸市では、民生委員の定数2,571人に対し、実員数は2,310人と慢性的な欠員状態が続いています。その要因として、地域活動の担い手不足や、就労する高齢世代の増加による活動時間の確保困難、世代間での認知度の差、そして複雑・多様化する福祉課題による負担増が挙げられています。
これに対し、市は以下の取組を行っています:
処遇改善: 令和5年度に実費弁償額を政令市最高水準まで増額しました。
業務負担軽減: 証明事務の見直しや、後述するタブレットによる報告業務の導入を進めています。
人材確保・啓発: 神戸市独自の「民生委員支援制度」の運用や、大学と連携したインターンシップ事業を実施しています。また、各区で開催されている「地域プレーヤーの交流会」への参加やPRを通じ、現役世代や若年層への認知度向上を図る方針です。
2. 地域課題の解決に向けた活動の多様化
民生委員は、身近な相談相手として高齢者のみならず、子供、低所得者、ひとり親世帯などの支援にも積極的に関わることが求められています。
活動実績: 令和5年度の相談支援内容の内訳は、高齢者に関するものが約5割(53.3%)、子供に関するものが約3割(27.4%)となっています。
役割の拡大: DV、不登校、ヤングケアラー、ひきこもりといった課題に対し、こども食堂や地域交流拠点の運営に関わるほか、専門窓口(あんしんすこやかセンターや児童家庭支援センターなど)への「つなぎ役」としての役割が期待されています。
3. 活動のDX化(タブレット端末の配布)に伴う狙いと課題
活動の負担軽減と効率化を目的に、事務作業のDX化が進められています。
導入の狙い: 連絡・調整の簡素化、活動記録・集計業務の事務負担軽減、および高齢者見守り台帳の管理に伴う心理的負担の軽減を図ります。令和7年2月からは灘区で先行して貸与が開始されました。
課題とサポート体制: 操作に不慣れな委員への対応として、集団研修の実施や、区役所でのオンライン相談窓口の設置を行っています。また、端末の破損や個人情報の取り扱いに対する不安の声に対しても、市が独自開発したアプリの改善や丁寧なコミュニケーションを通じて、常に委員に寄り添いながら時間をかけて進めていくとしています。













