1. 授業料無償化による公立離れへの懸念と現状
大阪府による令和8年度からの完全無償化や、国による私立高校授業料支援金の上限引き上げ(年額45万7,000円)により、経済的ハードルが下がることで、独自のカリキュラムを持つ私立高校への流出(公立離れ)が懸念されています。
現状: 神戸市立高校の平均志願倍率は1.39倍(令和7年度)と県立平均を上回っており、直ちに大きな影響が出る状況ではありません。
課題: いわゆる「寝屋川ショック(地域の進学校の定員割れ)」のような事態を避けるため、市立高校としての優位性を検証し、差別化・先駆性の視点から魅力を向上させる必要があります。
2. 「普通科改革」と特色ある教育の推進
画一的になりがちな普通科において、私立高校に対抗できる特色化を進めます。
STEAM・IT教育の強化: 理系人材育成のため、令和9年度より実践的なデータサイエンスやDXを学べる情報科目を新設する計画です。
国際教育の深化: 葺合高校の国際科などを筆頭に、神戸市外国語大学や海外教育機関との連携を強化し、グローバルな探究学習を展開します。
地域密着型学習: 国際都市としての地域資源を生かした「地域密着型探究学習」などを強みとして打ち出していきます。
3. 多様なニーズに応える定時制高校の再編
勤労学生の減少と、不登校経験者や外国にルーツを持つ生徒の増加という時代の変化に合わせ、定時制高校の在り方を見直します。
多部制・昼間部の拡充: 夜間部へのニーズが減る一方、日中の学びへの需要が高まっているため、摩耶兵庫高校での昼間部拡充などの実績を踏まえ、さらなる多部制(午前・昼間・夜間)への移行を検討します。
フレキシブルな学び: 単位修得により3年間で卒業できる**「三修制」**の導入など、生徒の状況に合わせた柔軟な仕組みづくりを進めます。
4. 今後の方針
少子化が進む中で市立高校が選ばれ続けるため、地域・産官学との連携による探究学習を拡充し、時代の変化に合わせた教育環境を提供します。また、兵庫県立高校との協調を図りつつ、未来を担う課題解決能力の高い人材の輩出を目指すとしています。













