サステナブルシーフードの推進と未利用魚の活用

サステナブルシーフードの推進と未利用魚の活用

1. 背景と目的
漁業法の改正により「持続可能性」が初めて目的に明記される中、日本周辺水域の資源評価対象魚のうち約49%が低位水準にあるとされています。また、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」は日本の深刻な課題の一つです。 これらを踏まえ、神戸市では将来にわたって水産資源や環境に配慮した「サステナブルシーフード」(天然・養殖の水産物)を起点とした、食文化の醸成や地域活性化を目指しています。
2. 連携協定による取り組みの枠組み
令和4年6月、神戸市は「神戸市漁業協同組合」および「SDGsに取り組む料理人・専門家」との3者間で連携協定を締結しました。この協定に基づき、以下の活動を展開しています。
市民・漁業者への普及啓発: 大学でのサステナブルシーフードに関する講義の開催。海洋資源の保全: 教育・研究・検討および情報発信。
地域活性化: 食文化醸成や観光振興の検討、レストランでのメニュー提供。
3. 未利用魚・低利用魚の具体的活用事例
水揚げされる魚の約3割は、サイズが不揃い、あるいは知名度が低いといった理由で市場に出回らない「未利用魚」とされています。神戸市では、これらを有効活用するため以下の施策を行っています。
クロダイ(チヌ)の活用: ノリの食害原因となっていたクロダイを「神戸食材フェア」の食材として採用しました。飲食店でのメニュー開発や商品提供を通じて販路拡大と認知度向上を図り、料理人や消費者から高い評価を得ています。
アイゴなどの加工品開発: 漁獲量が少なく低価格で取引される「アイゴ」などの低利用魚を、ふりかけなどの食品に加工し、価値を高める準備を進めています。
体験型教育の検討: かつての「さかなの学校」のように、未利用魚を釣ってさばいて食べる体験型教育施設の重要性も指摘されています。
4. 今後の展望と課題
関係者の拡大: 漁業者、事業者、消費者が協力し、多様な立場から関わる人を増やすことで、持続可能な海づくりを目指します。
全市的な連携: 食品ロス削減(「てまえどり」など)の視点も含め、環境局等と連携した全市的な研究が期待されています。
他地域事例の研究: 全量買い取りの仕組み(淡路島・深田水産の事例)や料理人チーム(Chefs for the Blue)などの先行事例を参考に、神戸ならではの取り組みを推進します。
この報告内容は、神戸市議会の議事録に基づいたものです。市長や副市長からは、未利用魚の利用価値向上は水産資源の持続的な有効活用の観点から極めて重要であるとの見解が示されています。
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